るるどの覚書

全く私的な独り言から、素朴な疑問や社会的な関心ごとまで、北欧での生活の中で感じたり、思ったり、考えたことの覚書ブログ。気軽にコメントして下さると嬉しいです。

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2007/09/06

知的障害者と大規模“収容”施設と精神病院と…

先日、知的障害者が対象となっている大規模な施設へ行き、一日を過ごしてきた。

入所者は約90名。一時宿泊の利用者は15名。グループホームは3つあり、一つのホームには4人住んでいるので、施設外の共同生活をしている人は12名。自宅から通所している人が約30名。

そこの利用者の過半数の人たちが精神科に通院しており、精神科の薬を服薬している。それを聞いたときショックだった。知的障害者は生まれつきの障害で、ふだんは治療を必要としない固定した障害を持つ人だと思っていたから。もちろん知的障害者だって歯科、内科、眼科、精神科に通っている人もいるのはわかるけれど。でも、少なくない人数の人たちが精神科に通院していると聞いてちょっと驚いた。

90名の入所者は高齢化してきており、子供の頃から長期入所している人たちも多く、今では平均年齢は40代後半。

施設の職員さんにいろいろ話を聞いたけれど、やはり「民間より給与が高いこと」が働く動機になっていることが伝わってきた。「そうでなければこんなところでは働けませんよ」という大規模施設の重い空気が伝わってきた。

自宅で家族と生活する知的障害を持つ人たちの間でも精神科に通院している人が少なくないという。知的障害を持つ人が家庭にいるという現実を受け入れられない親、兄弟姉妹に対する怒りが爆発したり、経済的な苦しさからの精神的な負担などが、精神科治療を始めるきっかけになってしまっているケースも多いと言う。

入所している人たちは裸で施設を歩き回ったり、モノを壊したり、奇声を発していたりしている人たちもいて、見学する人はみんなカルチャーショックを受けますと職員さんが言っていた。すると私と一緒に行った人は、私の耳の側で「私だってここに入れられたら、奇声を発して、モノを壊して、暴力を振るうと思うし、精神だって病むわよ・・・」とさらっと言っていた。結局、最後まで入所施設の中は案内してもらえなかった。

毎週土曜になると施設の玄関先の階段に座っている利用者もいるという。迎えに来るかもしれない両親や家族を待つのだという。でも「家族は迎えに来ませんよ。大抵、親も高齢で自分たちの生活で精一杯、また親が亡くなっているケースもありますし。親がいなくなると兄弟姉妹はほとんど来ませんよ・・・」とさびしそうに話していた。

食事は栄養士さんの管理の下で調理されたものを、大きな食堂で100人くらいの利用者が食するという。栄養管理はほとんど完璧だと言っていたけれど、便秘薬を毎日服薬している利用者がほとんどだという。そして、薬でも便の出ない利用者は、定期的に浣腸して、便を出させるという。なんという屈辱的な対応だろう。薬を使っても、便が出ないからといって、利用者の個々の意向は問われずに一週間に数回浣腸されて便を出すことを強制される、そんな生活が何十年も続くなんて・・・精神が病んでいくのはもっともなことだと思う。これが何十年も人目にふれない施設の中で行われていることとは・・・。繊維質の多い特別な食事療法、排便を促すような筋力トレーニング、薬の調節など、他にもできることはあるのだろうに・・・。心も魂もある一人ひとりの人間が、集団管理される“モノ”のような扱われ方をされているような場だった。(でも、決して職員さんたちだけを非難できるものではありません。施設長や管理職の人たちは、県庁からの天下り、そして職員体制も個別ケアをするためには不十分。地元の地域社会の理解も不十分・・・複数の要因があります。)

また、施設で暴力など振るったり、奇声をあげて手がつけられない知的障害者は、施設から精神病院の閉鎖病棟に入院させられるケースも少なくないという。そして、そこで薬を打たれ、静かにさせられ、拘束され、そんな対応がなされているという。「病院に入院したからといって、良くなることはないんですけどね」と下を向きながら言っていた施設職員の言葉は忘れられない。

精神病院が知的障害者の終の棲家になりつつある傾向は強まっているのだろうか。集団生活の中で管理のために、薬を使っての知的障害者の言動・行動を抑制する傾向は強まっているのだろうか。あの施設に行って以来、そんなことが気になる。

その日、一緒に行った方は、ラルシュの関係者。彼女は「どこの国でも、私たちのコミュニティーでは、障害者も健常者も一緒に普通の生活をしているのよ」と言っていた。彼女は今、日本でのラルシュの活動に寄与し始めている。私はそんな流れに希望の光をみる。
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≪ 布ぞうりホーム支配 所有 ≫

Comment

お久しぶりです

るるどさんの常に弱者に目を向ける姿勢には頭が下がります。
私の知っている人は奥さんは精神病院へ20年近く入ったきりで廃人同様になっているそうです。旦那様は入所時1000万を払って毎月20万ほど払う病院付きの完全看護の老人施設に入っているそうです。お金は有り余っていても幸せとは思えませんね。
家族はもうどちらにも会いに行っていないようです。
二人はもう二度と会うこともなくこの世界から去っていくのですね、きっと。
病む前に、病んでからでも遅くは無い。家族・世間が受け入れる何かを持っていたらと思うのです。
私もそういった施設を見学してみたいです。
見せてもらえないのでしょうかね?
ではお元気で!またお邪魔します。

はじめまして!

はじめまして

父がキリスト系の
とてもすばらしい特老にお世話になり
母がディサービスで営利企業のお世話になっています。

福祉に採算を持ち込むと
これだけの差が出るのか!
母と父の差を実感してます!
そして
例えば「自立支援法」で
逆に障害者の社会復帰が不可能になったこと
小泉の受益者負担で老人医療費が膨大にUPすること!

考えるだけで弱者抹殺の福祉・教育政策ですね!
ウチではあまり絡めないかも知れませんが
アドバイスを時には下さい!

施設の中を見せられないというのは、気になりますね。
外の人に見せられないほど、(よくないの)でしょうか。
入所者の生活の場だから、といわれそうですが。

同じ顔ぶれで生活できるこじんまりした施設や、外とも行き来して生活できる方向にあってほしいと、思います。

施設

CONSAMAさま

コメントありがとうございます。
弱者に目を向けるというか・・・。
私は、誰もがその人たちになり得る可能性を持っていると思っているので・・・他人事とは思えません。

自宅から、その施設は車で30分くらいのところにあるのにその存在さえも知りませんでした。ほとんど地域に開かれていない閉ざされた巨大施設です。

地域を歩いたり、自転車やバスで巡ってみるといろんな施設があることに気づきます。見学したいと言えば、させてもらえると思います。

お金はあっても、孤独な人、社会から阻害されている人たちはたくさんいますね。元気でも、足がなくても、手がなくても、目が見えなくても、病気でも、子供も、大人も、老人も・・・互いに顔の見える関係を持ちながらみんながゆっくりと、穏やかなペースで生活ができればいいのにと願わずにはいられません。

はじめまして

kimera25 さま

コメントありがとうございます。

お父様もお母様も社会資源を活用している様子、何よりです。

採算の合わない「福祉に採算」が持ち込まれていて、この世はすべて「金」しだいという雰囲気が益々強くなっていくようで、悲しいです。

まさに「弱者抹殺」の風潮が強まっていますね。グローバルな企業が弱肉強食の精神で生き残ろうとしていると、それが社会全体の価値であるかのような日本が形成されつつあるようで・・・。

弱肉強食の社会もあれば、共生の社会もある、さまざまな価値感を持った多様なコミュニティーができればいいのに、世界は「強者」の一色に侵されていくような気がして、むなしくなります。

以前から、断りなくブログをリンクさせてもらっています。
事後報告で、すみません。もし、ご迷惑でしたら、連絡くださいね。
これからもどうぞよろしくお願いします。

施設

うみぼうずさん

コメントありがとう!
入所者の施設を見せてくれない理由はわかりません。
施設の方は「男性の入所施設に入ると、カルチャーショックを受けます」と繰り返し言っていました。無理に見せてくださいと頼めば見せてもらえたかもしれませんが。特にお願いしませんでしたので。

今、グループホーム化が進んでいる様子ですが、それも財源の確保や継続性の確保なく、進められているようで、いかがなものでしょう。

児童に対してもですが、障害者の里親制度などが充実してくるといいなあと思ってしまいます。

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