るるどの覚書

全く私的な独り言から、素朴な疑問や社会的な関心ごとまで、北欧での生活の中で感じたり、思ったり、考えたことの覚書ブログ。気軽にコメントして下さると嬉しいです。

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2007/03/02

寿命

先日、祖母のところへ行き、着物の縫い方を教わった。
先ずは、浴衣を作ることにした。

おばあちゃんの言うとおりに切ったり、縫ったりしていると、だんだんと着物の形ができていく。

                 * 

おばあちゃんの口からは、いろいろな数字や寸法の取り方がすらすらと出てきます。もう十年以上、着物なんて作っていないだろうに、すべての手順や細かい寸法を覚えていられるのが、とても不思議でした。

私:「なんでそんなによく覚えてるの? すごいなあ、おばあちゃんは。」

おばあちゃん:「なんでって言われてもね。…おばあちゃんは、昔、○○の学校で、教えていたんだよ。いつも10人くらいのお針子さんたちがいたかな」

私:(そんな風に教えていたことがあったなんて、知らなかった…。何でもっと早くに教えてもらわなかったんだろう…後悔。まさか、万年反抗期のような孫娘が、着物の作り方なんかに関心を持つとは思わなかっただろうなあ…。すでに身近にある宝のような技術や知恵を、学び受け継ぐ大切さになんでもっと早くに気がつかなかったんだろう…後悔。)

おばあちゃん:「小さいお人形さんや大きい人の着物、いろいろな種類の着物を縫っていたんだ。」「お嫁に行くときは、持って行く着物は全部自分で縫ったんだよ。」
                 *

おばあちゃんはリュウマチで、指が大分変形してしまい、ここ十年以上、縫い物ができない、できないと言っていました。リュウマチが発症してから、症状は進むばかりです。今日、私が慣れない手つきで運針をしているのを見ながら、おばあちゃんは「できるかなあ、できるかなあ」と声を弾ませながら、自分で糸を針に通し、糸に玉をつけて、やわらかい布を手に持ち、縫おうとしていました。静かだなあと思っておばあちゃんの方を見ると「縫えた!縫えた!わぁ~縫えたぁ!」とうれしそうな声で、私に言います。とても綺麗に縫えていました。

人間は何歳になっても、自分が好きで得意なことや、若い頃に体が習得したことは、障害を持っても、どうにか工夫して試みてみると、なんとかできるようになるものなんだなあと不思議な気持ちになりました。昔と同様に早く、器用に、綺麗には、できないかもしれないけれど、その人にしかできない味のある作品を生み出すことができるんだなと感じました。
                  *

おばあちゃんとお話をしながらの縫い物は、どんな時間にもかえがたい至福の時でした。豪華な船に乗り海外旅行をするよりも、どんな豪華なレストランで食事をするよりも、どんなにすばらしい芸術作品を見るよりも、価値のある時間だなあと心の中でしみじみ感じながら縫い物をしていました。

おばあちゃんは、いろいろな話をしてくれました。その中でも「おばあちゃんの曾おじいちゃん」の話が私にとっては、印象的でした。「おばあちゃんの曾おじいちゃん」は93歳で亡くなったそうです。その頃は、人生50年といわれていたそうで、「おばあちゃんの曾おじいちゃん」が他界したときには、たくさんの人が遠方からお金を拾いに来たとのことです。

「お金を拾いに来た???」何のことだかわからなかったのですが、昔は、お坊さんがお葬式の後、お金をそこら辺に、まいたそうです。そして、長生きした人の葬儀に、撒かれたお金を拾うとご利益があるということで、いろんな人が拾いに来たそうです。

おばあちゃんの曾おじいちゃんが、93年間も生きたとは知りませんでした。

私の小さかった頃、まだ元気だった曾おばあちゃんは、98歳で他界しました。おばあちゃんの家族はみんな長生きでしたが、このごろ、みんなどんどん早死になってきている気もします。

私:「なんで、昔はみんなそんなに長生きしたんだろうね?」

おばあちゃん:「曾おじいちゃんも、おばあちゃんも、昔の人は、薬を全く飲んでいなかったよ。風邪ひいたって、怪我したって、薬なんて飲まなかったよ。」

おばあちゃんの言葉が、なんとなくわかる気がしました。
そういえば、98歳で他界した曾おばあちゃんは、お気に入りのぶどう酒を少々、毎晩寝る前に飲んでいました。ひどい風邪を引いても、ぶどう酒を飲んで寝れば治ると言って、薬は一切飲まない人でした。みんながよく曾おばあちゃんの話をするとき、「薬を飲まないで、ぶどう酒を飲むと長生きできるんだね~」と感心して話していたことを思い出します。
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Comment

ゆったりと流れる、素敵な時間。わたしも、おばあちゃんのそばにいて、人間にとって大切なものを、教わった感じがしました。

時間

うみぼうずさん

コメントどうもありがとうございます。

高齢の人と一緒にいると「時間」について考えさせられます。なんでもないようだけれども、私にとっては希少価値のあるゆったりと、ただそこに一緒にいる時間の価値に気づかされます。また、曾おばあちゃん、おばあちゃん、お母さん、私・・・を通して継続してきている時間の不思議にも思いをはせてしまいます。

うみぼうずさんにも、おばあちゃんの溢れる愛情をおすそ分けさせていただければ、何よりです。

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入園準備 手作りはバッグ、上履き入れ、お弁当袋、巾着、そしてスモック

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