るるどの覚書

全く私的な独り言から、素朴な疑問や社会的な関心ごとまで、北欧での生活の中で感じたり、思ったり、考えたことの覚書ブログ。気軽にコメントして下さると嬉しいです。

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2006/08/05

“持続可能な制度”

“持続可能な制度”の構築という、もっともらしいフレーズが官僚、政治家、評論家などによって使われていますが、これは生活者一人ひとりを考えている方策ではありません。まず制度ありきであって、生活者は二の次という態度が見え隠れしています。“持続可能な制度”のために、という大義名分をかざし、生活者からは保険料を払わせ、税金を納めさせる。生活者が保険料・税金を支払っているかぎり、“制度”の維持は可能なのです。

これは、〈生活者のニーズにあった社会サービスの提供〉〈何かあったときに瀕死の状態にならないためのセイフティーネットの提供〉とは別のことなのです。人々は生活に苦しみ、満足に教育も受けられず、過労死し、医療も受けられなくても“制度”は存在し続けるのです。多くの人が生かさず、殺さずの状態に置かれたとしても、お金さえ支払われていれば、制度は持続するのです。

以下、「持続可能な制度」で検索して、出てきたものをいくつかあげました。

「・・・年金制度は、国民の退職後の生活を支える柱であることから、長期に安定的かつ持続可能な制度でなければならない。・・・」経団連

「・・・急速な高齢化、経済の低迷、医療技術の進歩、国民の意識の変化など、 医療制度を取り巻く環境は大きく変化しており、将来にわたり、医療制度を持続可能な制度へと再構築していくために、その構造的な改革が求められている。」政府・与党社会保障改革協議会

「このため、発足から5年を迎え、見直しの時期に当たっていた介護保険制度を、持続可能な制度へと再構築し、さらに、高齢者の現状に見合ったサービスの質の転換を図ったのが 昨年(2005年)の法改正です。」(公明党)

「社会経済と調和した持続可能な制度の構築と制度に対する信頼の確保. ∼現役世代の 負担への配慮と公的年金にふさわしい水準の確保∼ 」「持続可能な安心できる年金制度の構築に向けて(厚生労働省案)」の概要

政治組織、官僚組織、そして経団連、皆“持続可能な制度”の構築を目指しています。

私は“制度”を批判しているのではありません。まず、何のための“制度”であるのかを明らかにし、それに沿った制度づくりをする必要があると思うのです。

権力者を肥えさせるための制度づくりは論外にしてほしいというのが個人的な要望です。

“持続可能な制度”というフレーズを聞くたびに、アメリカに不法移民したメキシコ人の友達の話を思い出します。(今では、友人はアメリカで市民権を得、家族を持ち、一軒家を購入し、安定した仕事をしながら生活しています。アメリカ生まれの娘さんと息子さんも、すでに中学生になろうとしています。)メキシコでまともに食べていけるのは、役人、政治家、そしてトヨタなどの大企業の工場で働いている人たちだけだと言っていました。多くの人たちにとっては、自国での生活はあまりにも悲惨で惨めだから、南米からアメリカ合衆国へ、命の危険を冒してまでも国境を越えて、可能性を求める行動を取る人たちがいるのです。

友人の母国、メキシコにおいても“制度”は存在し、維持されています。
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≪ 地に堕ちた天使ホーム女性の体=戦場 ≫

Comment

こんばんは。。。
先日はコメントありがとうございました。
政府の起てる持続可能な制度の多くは、社会問題に対する政府の保護的制度(政策)であり、なぜそれらが社会問題になるかについての分析、あるいは詰めがアマイような気がするのはわたしだけでしょうか?
おそらく、それら政策の末に制度をつくりあげる者達の多くは、恵まれた環境で過ごして来た価値観によって作り上げた的外れなものと言ってしまっては、少々乱暴でしょうか?

るるどさんがコメントをつけて下さった記事の例の官僚が、「自己責任」という言葉を冷たく使っていたのを思い出します。イラクで捕虜になった高遠さんらのことを本気で怒っていました。この人のこの怒りはどこから出てくるんだろうと考えました。耐震偽装のマンションを買った人も自己責任、高遠さんも自己責任。それを公金で尻拭いするのはおかしい、という論理。でも高給をもらって出世のことしか考えない官僚の言う「自己責任」って何なのでしょう。「持続可能な制度」にしろ「痛みなくして改革なし」にしろ、言葉が頭の上を通り過ぎてすぎていきます。それでいながら私たちの暮らしを確実に変えていくのだけれど。

Tom_ysさん
コメントどうもありがとう。
政策づくりのために多くの費用が投入され、多くの研究や分析がなされているようですが、それらの報告書は机の上に山積みにされているだけで、いかされいないのではないでしょうか。

確かに、制度を直接つくっている人たちのほとんどは恵まれた豊かな環境に身を置き、公の制度なんて、自分たちとは関係ないと思っている人が多いのだと思います。

starstoryさん

コメントどうもありがとう。

「高給をもらって出世のことしか考えない官僚の言う「自己責任」って何なのでしょう。」本当ですね。官僚は自分の身を守ることしか考えず、まず多くの社会資源を自分たちのために確保した後に、少々の社会資源を「社会的弱者」に分け与えるような・・・。

『外務省が消した日本人』著・若槻泰雄(2001毎日新聞社)おすすめです!是非、時間のあるときに、読んでみてください。
starstoryさんの見解を聞かせてもらえたら、
うれしいです。

るるどさんがそんなに薦めるんだったら、是非読まなきゃ。

starstory さん

是非、目を通すだけでも!手にとって見てください。官僚や行政が人々のために何かしてくれるという幻想を打ち砕く本だと感じました。読後のstarstoryさんの感想を聞いてみたいなあ。

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