るるどの覚書

全く私的な独り言から、素朴な疑問や社会的な関心ごとまで、北欧での生活の中で感じたり、思ったり、考えたことの覚書ブログ。気軽にコメントして下さると嬉しいです。

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2006/08/04

女性の体=戦場

10年以上も前だったけれど、"The body as a battle field"と書いてあるT-シャツを見たことがある。そういえば、Germaine Greer がそんなことを書いていたなぁ。

“A woman's body is the battlefield where she fights for liberation. It is through her body that oppression works, reifying her, sexualizing her, victimizing her, disabling her.”
             ― Germaine Greer “The Whole Woman”

彼女は“The Whole Woman"という本を通して、“the unique gifts of women are wondrous antidotes to the poisons of a harsh world, if we nurture them.”ということを教えてくれる。
 
「戦場のような女性の体」についての覚書

世の中からは、常に、痩せろ!かわいくいろ!きれいでいろ!いい子でいろ!従順でいろ!言うこと聞けば、守ってやる!いつまでも若くいろ!五体満足の子供を産め!男や子供や家族に仕えろ!いつまでも元気で介護しろ!というメッセージがいろんな方法によって女性に向けて送られている。今はそれだけでは、十分ではなくなり、よく働いて、もっと稼いで、家にも社会にも貢献しろ!なんてことも要求される。

そして、多くの日本の女性が、そんな要請に一つひとつ応えようとがんばっているように見受けられる。

そういえば先日も、二人の若い女の子の会話で、こんなことが交わされていた。「ちょっと太っちゃった、こんな太い二の腕、許されない!」「そんなの許されないよ~」

「こんな爪、許されない」「こんな髪型、許されない」となどという表現を何度も使うのです。十二分に痩せていて、かわいい女の子たちは、自分の二の腕や爪や髪型に納得のいかない様子でした。深刻な意味はないのかもしれないけれど、「・・・許されない」という言葉を繰り返していました。 それから、「あの子は、顔がかわいいから、ちょっと太っていても許されるけど、ブスだったら許されないよ」とも・・・。「許されない」という何度も出てくる表現に、ぎょっとした私でした。世間の期待に自分がそっていなければ、「存在することさえも許されない」ような重圧、恐ろしいものがあります。(「許せない」ではなく、「許されない」と、受身で裁かれる立場に身をおいた表現なのです。)

そんな外からの目に見えない要求を常に感じつつ、そんな無理な期待に一生懸命応えようとする涙ぐましい努力・・・女性の心身が戦場のようにもみえてくる。

<リストカット>
やっちゃいけないとわかっているのに、ナイフで手首を傷つけてしまう。傷だらけになっている手首・・・何もかもうまくいかないから、自虐的になって、自戒の念を込めて、切っている時もある。生きている実感を得たいから、自分の腕を切る時もある。生きているのがあまりにも辛くて、身体の痛みで、心の痛みを消そうとすることもある。自分の体を傷つけてうれしい人なんていないのに・・・。傷つけることをやめられない。誰かにこの目に見える傷に気づいてほしい、助けてほしいと思っている人も少なくないのです。

<強要された性行為>
したくもない相手にSEXを強要され、傷つけられている下半身。それは、レイプだったり、一見合意があるようでも強要された性行為だったり、泣く泣く生活のためにしていたり、男性に気に入られるために我慢してやっていたり・・・。女性の体はそんな男性の欲求のはけ口としてあるのではないのに。女の子も自由になろうよ!という現代社会のメッセージがあり、性行動をあおるけれど、いつの時代も女性の体は同じ。大切にしてあげないと、心から壊れてしまう、身体的にも病んでしまう。「セックスできれいになろう」なんて雑誌を見ると、しない女の子は何か損をしているような気にもさせられる。好きな人と愛情のある関係の中でのSEXは女性をきれいにすることもあるかもしれないけれど、それ以外のSEXは、私は、女性を醜くしてしまうと思う(外見に限らず)。

<美容整形>
美容整形に大金を支払い、痛い思いをして修正する顔や体。顔に注射して、しわを伸ばして顔の張りをつけていた人がいた。痛々しかった。医者の奥さんで、腕の良い美容整形の医師にやってもらっているとのこと、やぶ医者ではなかったと思うけれど。術後は、顔や首を赤く晴らしていたこともあった。そこまでして、若くありたいかなぁと思ってしまうほど、術後は醜く痛々しい姿だった。一度、やり始めるとやめられない様子。おなかの肉をとったり、胸の形も変えていた。お金をかけて、体にメスや注射針や異物を入れて、痛い思いをしてまでも、美しく若くありたいと思わせるものは何なのだろう。いつも自分の容姿や自分がどう見られているかが気になって仕方なく、決して幸せそうには見えなかった。

<過食・拒食・摂食障害>
おなかがすいてもいないのに、食べて、食べて、吐いてしまう、その繰り返し・・・胃液で歯がぼろぼろになってしまう。栄養をとるために食べているのではないから、体力も落ちてきてしまう。めまいや貧血が頻繁におこり始める。無駄に、アイスクリームやドーナッツやポテトチップスやカップラーメンやチョコレートなどを買い込んで、無理やり体内に詰め込んで、吐く。下剤をかけることも。その繰り返し。いつも何を食べよう、今度はどうやって吐こうとかばかり考えていて、ほかの事が手につかなくなる。太りたくない、無駄遣いしたくないのに、またお店に行って買って、食べて吐く。周りの人は「最近やせたんじゃない、きれいだよ」と言ってくれる。あばら骨も出て、ごつごつした体になってきているのに・・・、鏡に映してみると、とても太って、醜く見えてしまう自分の姿。もっと、もっと痩せなくてはと思ってしまう・・・。

こんな経験をしてきている女性は、決して少なくないのです。
社会の眼差しにもてあそばれ、それに一生懸命に対応していこうとするけなげな女性たち。自分のありたい姿、したいこと、言いたいこと、持つ想いを、ぎゅうっと心の奥に押さえつけて、しまいこみ、自分ではどうにもならない外からの要求に応じる。自分には外からの期待や要求はコントロールできないし、どうにもならないから、自分だけは、自分の体だけは、どうにかしてコントロールしようと一生懸命になる。そんなことばかり続けていると、いつか本当に自分を失ってしまう。

~コントロールから開放されるために~
コントロールできるのは、自分の体だけと感じている多くの女性・・・。したくもないコントロールを自分に課して、自分らしさを失っていく。
もう、すべての外的なコントロールから自己を解き放ち、自由にしてあげてもいい時かもしれない。人や世間にどう思われるか、どう見られるかよりも、自分の大切にしていることは何か、自分の本当に好きなこと、やりたいことは何か、どうやって生きたいかということのほうが、ずっとずっと大切だと思う。ひとりひとりの女性が、生き生きと自分らしく生きてみようと思い立ち、そんな生き方を選択したとき、女性の体は解放されるのだと思う。

そして、そんな女性たちの選択を支え、温かく見守る人たちが増えますように。

**********************
小泉首相は靖国参拝までも「個人の心の問題」にしてしまうけれど(他の人の入る余地を奪う戦略)、私は女性や子供が多くの問題を抱え込み、苦しんでいることさえも、「個人の心の問題」として片付けたくはない。これは社会の問題、メディアの問題、政治の問題でもあるのです。
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Comment

こんばんわ!暑いですがお元気ですか?
うちの奥さんは決して美人ではありません。
(私も色男ではない、苦笑)
しかし、古き良き母のように頑張りやで思いやりがあるのです。
そんな元気な奥さんも上の子を産んだ時に産後が良くなく半年ほどまともに歩けませんでした。まさに「女性の体は戦場のようなもの」なのですね。非常に繊細に出来ているとその時感じました。「私がお父さんより先に死ぬわけには行かない100歳まで生きなきゃ!」
ってのが口癖です。
テレビなどで見る女性はとても美しいと思うのですが、皆同じ顔をしていて区別がつかないんですね。世の女性達は内面の美しさを磨いて欲しいものです。るるどさんの言うとおり、同じ顔でも見た目・外見で価値を計る今の風潮にも大いに問題ありですね。

CONSAMAさま

こんにちは。コメントありがとう!
関東もやっと夏らしくなってきました。この湿気さえなければ、過ごしやすくなるのに。

素敵な奥様ですね。私もそんな奥さん・・じゃなくて、だんなさんを探さなくっちゃ! 

産後は、大変だったのですね。(男の人は産後がなくていいなぁ・・・。なぜ、二人でつくる子供なのに女性が大変な思いをするんだろう?!) お産や子育ての話を聞くたびに、人間、何歳になっても学ぶことはたくさんあるんだなぁと思います。経験って、学校で黒板に向かって勉強するよりも、何千倍にも勝る学びの機会ですね。

同じような顔や雰囲気の女性も少なくないです。日常生活の中でも、「みんななんとなく似てるなあ」と思うことが時々あります。

もっと多くの男性に、「女性の見た目」以外のことにも価値を見出していただきたいと思うのですが・・・。男性だって収入だけ(または外見だけ)で判断されたらいやですよね・・・。

るるどさん、

こんにちわ~。

るるどさんの書かれたものを読んである本を思い出しました。るるどさんのことなのでもう既に読まれたとは思うのですが、もしまだでしたらお勧めです。

Women Who Run With the Wolves by Clarissa Pinkola Phd Estes

ユング派の女性心理学者が自然なままの女性の魂のあり方について伝説やおとぎ話を通して書いています。
....................................

>私は女性や子供が多くの問題を抱え込み、苦しんでいることさえも、「個人の心の問題」として片付けたくはない。これは社会の問題、メディアの問題、政治の問題でもあるのです。

私もそう思います。私がDVから回復する過程で、最初は自分の問題を「共依存」と呼んで、あくまで個人の問題として向き合っていましたが、それでは解決しきれないものがあることに、やがて気づきました。

私がそもそも男性に依存するようになった原因として、子供の時に両親から十分愛情を受けることができなかったという個人的な理由以外にも、 私が女性として、物心ついたころから、「女性は男性によって完全にされるものだ」というメッセージを社会全体から受けてきたとういうのをあげることができると思います。

シンデレラのおとぎ話から、スーパーマンの映画にいたるまで、美しくて優しい女性が危機に陥ったところを、強くて聡明な男性が救い出すというストーリーが社会のいたるところに見つけだされて、いつのまにか、自分でも気づかないうちに、私にも白馬の王子様が現れると信じ込むようになったみたいです。

その白馬の王子様の幻想から解放されるのに本当に何十年とかかりました。男性も女性と同じ普通の人間(スーパーマンでも野獣でもない)だと分かることが私にとっては回復のプロセスそのものでした。それがはっきりと分かった時に、自分は自分の足で立つしかないんだなあと覚悟がつきました。

自分の足で立っているというのはすっごく自由で本当に気持がいいです。特に嬉しいのは男性に対して思いやりの気持をもつことができるようになったことです。男性にスーパーマン(その裏返しは野獣)を期待しなくなったので、男性を厳しく評価することが自然に無くなりました。

その反対に、自分の足で立っていて難しいことは、自分の人生、自分の幸せに対して責任を取らないといけないことです。特に、今のように病気が続くと子供のように誰かに面倒見てもらいたいという甘えの気持が自然に湧いてきます。でも、やっぱり昔の自分にはもどりたくないです(^^)。

なにか今日は長々と書いてしまいましたが、私もいろいろ考えるトピックなのでるるどさんの記事面白く読ませて頂きました。

かずみさん

こんにちは。ベイエリアから、コメントどうもありがとう。なんか、旧友からのコメントのようで、とてもうれしくなってしまいました。あの本どこにあったかなぁなんて周りを見回してしまいました。

白馬の王子様の幻想は罪な幻想です。解放されたときの自由はなんともいえないですね。「自分の足で立っているというのはすっごく自由で本当に気持がいいです。」そのような言葉が無理なく一人でも多くの女性が心から感じることのできる社会になればいいなぁと夢見ています。

病気は不安ですよね。でも、病気に縛られない生き方をしているかずみさんは、すごいなあと思います。最近、微熱が下がらないのですが、身体の病気に慣れていない私はそれだけで、「多くのことが保留の状態」に置かれさせられているような気持ちになります。

必要なときには、必要な助けや人が与えられますように、一日一日を心の平安とともに歩んでいければいけますすようにと祈っています。

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好きな言葉:"Differences are not a threat, but a treasure" by Jean Vanier (ジャン・バニエは、尊敬する人の一人です)

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