るるどの覚書

全く私的な独り言から、素朴な疑問や社会的な関心ごとまで、北欧での生活の中で感じたり、思ったり、考えたことの覚書ブログ。気軽にコメントして下さると嬉しいです。

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2006/07/19

一未復員兵からの話

先日、戦争中に服役していた時に、精神病院に入院した方とその頃の看護師さんから話を聞く機会があった。

戦争の終わる約6ヶ月前に赤紙が来て、入隊したとのこと。
彼は平和主義者だったが、やむなく家族にお別れをした。
その頃すでに日本が勝てるような状況に置かれていないことは明白だったようだ。そして、彼はその事実を言うたびに、上官から頭を鉄の棒で殴られ、何度も失神してしまったと言う。そのうち食べ物が喉を通らなくなり、拒食症になった。使い物にならなくなった彼は精神病院行きになってしまった・・・。

彼が入院していた精神病院には約800名の入院患者がいた。そしてそのうち約100名くらいが未復員兵だったという。そのうちに未復員兵を故郷に返そうという動きが病院内で生まれた。でも、ほとんどの家族の返答は「お国に一度ささげた命ですから」というものだったという。国からも家族からも見捨てられた兵士たち・・・。

その病院では、ロボトミーや電気ショックが行われていた。月、水、金は男性で、火、木、土は女性というような方法で電気ショックが行われていたとのこと。

彼と同じ病室には、多くの梅毒の患者さん、犯罪者もいれば、親に反抗してた15歳の息子も入っていたと言う。いろんな人がごっちゃ混ぜ状態だった様子が伝わってくる。親に反抗してナイフを向けた15歳のお肉屋さんの息子さんは「治療」の一つとしてロボトミーを受けたと言っていた。それは周りにいた患者さんたちにはショックだったようだ。ロボトミーの「治療」を受けた人たちはみんな「廃人」になっていった・・・と看護師さんは言っていた。また「精神病院よりも、刑期のある牢獄のほうがまだいい。精神病患者になるより、弁護人がつき、法に守られる犯罪者のほうがまだいい。牢獄へ入れてくれ!」と精神病院を脱走した人もいた。その人はすぐに精神病院に戻され、保護室に閉じ込められたと言う。

戦争が始まると、お国の為にならない人たちは、人権のある人間として扱われなくなる。敵も、高齢者も、病んでいる人も、障害者も、国に逆らう人々も、国に負担のかからないように、大義名分の下に隔離され、処分される対象になるのだろう。限りある食やエネルギーはお国の為になる人々に使ったほうがよいと考えるのだろうから・・・。

そして、恐ろしいのは外からの攻撃だけでない。国内においても人命の軽視や人権の略奪など、より恐ろしいものが「常識」となってまかり通り始めるのだろう。

食の自給率、エネルギー資源の自給率が低く、外国への依存度の高い日本が、独立した自国の軍隊を持ちたいなどと言うのは、軍隊を持つことによってメリットを得る人たちのエゴや私利私欲にすぎない。もし、日本が戦争を始めるようなことになったら、日本にいる多くの人々が犠牲になり、飢え、負け戦になることは、戦争を始める前からすでに明らかであるような気がしてならない。今でさえ、多くの人々が企業や組織によって使い捨てられ、多くの人々が自殺まで追い詰められ、生存権を脅かされ飢え死にしたり、孤独死している人々のいる「先進国」「経済大国」日本。「平和」な時でさえ、国や社会はひとりひとりの人間を大切にしていないのだから、もっとひどくなることは容易く想像できる。

日本が「普通の」独立国家として、独自の軍隊を持つことを考えるのならば、軍隊を持つ前に、食とエネルギーの確保が先決ではないだろうか。まず、生存する為に最も基本となるものを、外国に依存せず、自給することについてこそ真剣に考えるべきではないだろうか。それが無理であるなら、軍隊の自立ばかりについて安易に口走らないほうがいいと思う。

食もお金もエネルギーも軍も生活も人もすべてが依存関係の中で世界が成り立っている今の時代、強者の論理や都合によって始められる国対国の戦争なんて、少数の権力者にしてみれば、自分たちの利権やエゴや富の為に行う戦争ゲームのようなもの。そして、その戦争は取り返しのつかない多くの人々の犠牲の上に成り立つ。

戦争は社会的弱者や厄介者を処分し、世界の中でもごく少数の力あるものがより多くの富を略奪し、獲得する絶好のチャンスなのだと思う。強者の論理によって洗脳されてはならない・・・。
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≪ ぼくにとっての家‐戦場ホーム夏祭り ≫

Comment

はじめまして、るるどさん。

興味深い記事です。
若い頃、脳外科にいましたが、当時の脳外科教授も昔ロボトミーをやっていたと先輩ナースから聞きました。戦後のことですよ。研究という目的で・・・
医療の現場は、本来の目的とは反対のことも行えるということを示しています。今の時代やっとここまで風通しよくなってきましたが、またあの暗黒の時代(戦時)がやってきたら、わかりませんね。医療の質も平和の上に成り立つと思っています。

先日、映画「日本沈没」をみにいきました。
避難民の受け入れを政府は、外国に頼みに行くのですが、受け入れ人数が限られています。でも、地震・噴火で犠牲者がどんどんでるので、そんなにしゃかりきになって受け入れ先を探さなくとも、解決だ。というような意味の会話が出てきて、ショックでした。(1回しか見てないので、わたしの受け取り方があっているかどうか?)

renanayaさん
コメントどうもありがとうございます。

(勝手に)リンクまでして、「うさぎの小部屋」を拝読させてもらっています(すみません・・・)。

戦後に研究目的でロボトミーを行っていた病院もあるのですね。先日お話した看護師さんは、当時は、最先端の国立の精神病院ほどロボトミーや電気ショックを「最先端の治療として」おこなっていたと言っていました。私立の病院は閉じ込めておいて何もしない病院が多かったとか・・・。

「医療の質も平和の上に成り立つ」
人を生かすことも殺すこともできる医療。
社会の平和はもちろん、良質の医療を提供し続けるためには、心の平安も大切なのでしょうね。

うみぼうずさん

コメントどうもありがとうございます。
私も「日本沈没」の映画を見に行こうかなと思っていたところでした。

「地震・噴火で犠牲者がどんどんでるので、そんなにしゃかりきになって受け入れ先を探さなくとも、解決だ。」 

無責任な考えた方ですよね・・・。
もしかしたら?!多くの権力者はそんな風に考えているのかと思うとぞっとしますね。

私も近いうちに見てきたいなと思っています!

るるどさん、メールまだ返信してなくてごめんなさい。昨日24時間テストがありまして、死にそうでした。

記事読ませて頂きました。私の意見はちょっと横に置いておいて、記事はるるどさんらしい、優しい内容の記事だと思いました。

イオさんへ

コメントどうもありがとう。
24時間テストですか、どんなテストなんでしょう。お疲れ様でした。あまり無理しないで下さいね。

「優しいね」と日常生活の中でも言われますが・・・。ほめられているのか、けなされているのか・・・どちらなんでしょう?! 父親曰く、「優しくても、食っていけないからなぁ・・・」
ため息が・・・。

すいません、書き方が悪かったですね。
もちろん良い意味で書きました。

お父様の言質は何か現実の一側面を浮き彫りにしている気がしてちょっと怖いですね(笑)

イオさん

そうですね。父は心ある優しい人ですので、その分、右肩上がりの日本の男社会の中で、大変な思いをしてきたのだと思います(大変な思いは、現在進行形です。今は大分心の皮も厚くなったようですが。) そのようなこともあり、「優しい」だけがとりえの娘のことも人事と思えずつい本音が・・・。

こんにちわ!実に簡潔に書かれていてわかりやすい文ですね。
最近知ったのですが「うつ」の薬の中には「自殺願望」を誘発するものがあるようですね。
私もそんな薬が出されないように気をつけねば・・(苦笑
戦争で特をする人がいるのが厄介なところですね。で、それに乗せられる人たちがいるのも悲しいことです。
今の日本はある意味それに近く富者は益々富むようになっているようです。
今日の朝日に載ってましたが新会社法の減税政策により個人で資産を持つ人が「個人資産を管理する会社」を作り、会社も儲かり、預けた方も益々節税できるようになっているらしいです。それも何百万単位で・・
何百万って私の年収じゃないですか。夢のような話です。やはり取るところを間違っているのでは?と言いたくなります。

CONSAMAさま

コメントどうもありがとう。

「そういちの平庵」の「くすり」(以下のURL)という記事の中でくすりについての一考が記されています。

http://plaza.rakuten.co.jp/mukoujima/diary/200607210000/

「富者は益々富むようになっているようです」
まさにそうですね。金利だって、貯金がない人は利息も何もありません・・・。借金している人(十分なお金のない人)の借金の利息は上がることになるし・・・。社会は以前から異常だったのでしょうが、それがあからさまになり、いまでは開き直って、それを一見きれいな言葉を巧みに使い、正当化しているようなところが怖いです。

るるどさん、弱く貧しい人たちからもあえぐ地球や生物からも搾取して、軍拡が行われようとしています。九州地方と長野で大雨、家が流されてしまった方たち。凶暴化する自然は、自動車やら工場やら武器やらを作って地球を温暖化してしまったせい?私たちは北朝鮮や中国やらの「未来の攻撃」の恐怖に支配されて、目の前の虐げられている人々の苦しみが見えなくなってしまっているのではないだろうか、と思います。

starstoryさん

コメントありがとう。

人間が限りない欲望に流されてここまで来てしまったつけが、今いろんな所で「ほころび」として出てきてしまっているのでしょう。自然を怒らせるせるようなことばかりをしている人間・・・。長年、地道に養鶏に携わっている方が、狂牛病や鳥インフルエンザも自然の叛乱だと言っていました。

今のメディアは危うい方向を向いてしまっていますね。必要以上にメディアが人々の恐怖をあおる時は「赤信号」だと思います。つくられた情報に振りまわされずに、自分の五感を信じ、しっかりと地に足をつけて、同時に遠くを見据えながら日々生活する大切さを忘れたくないものです。

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あいこさんへ どうもありがとう

貴重なコメント、どうもありがとうございます。

私も人を信じるのが大変なことがあります。でも、どんな人にでもよい部分があるとも、思っています。自分にも良い面、良くない面があるのを知っているので、自分以外の人たちにも寛容になれるのかもしれません。

生きているとつらいことがたくさんありますが、どんなことがあっても生ききることが大切だと信じています。あいこさんのコメントから、私は励ましと生きる力を与えられました。あいこさんに感謝です。

人に言えないような、信じられないような経験をしている人が、少なからずいると思います。孤独を感じていたり、さびしい思いをしている人たちが、それぞれのつらい経験や苦しい思いを通じて、お互いにつながりあえたら、どれだけ一人でしょっている重荷が軽くなるだろうと思うことがあります。

また、よければコメントして下さい。

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好きな言葉:"Differences are not a threat, but a treasure" by Jean Vanier (ジャン・バニエは、尊敬する人の一人です)

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