るるどの覚書

全く私的な独り言から、素朴な疑問や社会的な関心ごとまで、北欧での生活の中で感じたり、思ったり、考えたことの覚書ブログ。気軽にコメントして下さると嬉しいです。

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2006/07/10

脱<いい子>の奨め

70歳近い知人が「最近の官僚や役人は、頭の良い、いい子で真面目な人ばかりだ」ということを言っていた。それ以来、それがなんとなく気にかかり、いろんなことを考える。昔、官僚になる教育を受けた彼女は、そんな<いい子>たちが「怖い」と言う。仕事を黙々とロボットのように完ぺきに、間違いなくこなそうとするまじめな人たち。余計な会話はしない。仕事と直接関係ないことは見ようとも、聞こうともしない。融通も利かない。彼女は「優秀な官僚ね」と感心しながら、皮肉を込めて言っていた。そんな人たちはシステムの維持・発展の為に、組織やシステムの一部として従順に機能的・効率的に動くことが得意なのだろう。市民に「苦を強いるような制度」についても、綺麗な言葉や図表を使い、もっともな制度であるかのように提示することも得意としているようだ。

(役人は書類ばかり見る、というか「現実」はどっちでもいいのか、書類しか見ない。そんな監査ばかり。福祉の業界でも、建築の業界でも、実際の仕事そのものよりも、書類の作成や整理ばかりが強いられ、直接に現場に携わる人たちは「良い仕事」がしたくても、時間も人手も足りなくて、できなくなってきているという。話がずれてしまいました・・・。すみません。)

そんな風に真面目に仕事を一生懸命こなしている役人たちが、行政の手先として障害者の作業所や生活支援センターに来て、心ない監査を行う。作業所や生活支援センターの施設も見学する時間がないと言って断る役人。現場の苦労や大変さは一切聞こうとしない役人。書類上の数字ばかりを目で追っている。計算機まで出してきて、数字が合っているかチェックする姿。あら捜しが仕事なんだろうか。

戦争が始まれば、そんな人たちは率先して敵人を殺すことを奨励するのだろう。そして、同国の非国民の取り締まりを始めるのだろう。

金子光晴のような反骨精神を持って、言動の矛盾を追求し常に本質を探り、世の中の眼差しをものともせず、<いい子>になることにこだわらない人はまだこの世にいるのかなと考える。

そういえば、『<いい子>じゃなきゃいけないの?』香山リカ (2005年9月:筑摩書房)のなかで、著者も子供たちや若い人たちに脱<いい子>を進めている。

金子光晴のように、型破りで、自然体で生きる人がもう少し増えると、ちょっとは住みやすい人間社会ができるように思う。彼の生き方は、人が組織やシステムに組み込まれ、人間が人間以上のものになれるような幻想に支えられて生きるのではなく、人間が等身大で自然の一部として生きることが可能であることを示してくれる。<いい子・いい人>になって大きな組織(教育、役所、企業など)に属して頑張っている人たちは、人間が人間以上のものであるということを証明することに、盲目的に一生懸命、賛同しているような気がする。

人間が人間以上のものになろうとしている間は、平和の道を歩めない。

********************
権力の指示に背くことによって多くの人々の命を救ったオスカー・シンドラー(ドイツ人実業家)や杉原千畝さん(外交官)のことが頭に浮かんできた。時代の大きな流れに背き、第二次世界大戦中に迫害されていた多くのユダヤ人を救った人たち。権力者がどんな指示を下そうと、時代の流れがどうなろうと、人として正しいことしようと試みる人たちは少なくないのかもしれない。
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≪ 生活保護について 日常生活の一場面ホーム「不圧迫、不暴力、不恐怖、不分離」 ≫

Comment

はじめまして、
愚樵さんのとこから飛んでまいりました。
やはり「いい子」というのは、大人にとって都合の『いい子』、大人にとって面倒を起こさない行儀の『いい子』、大人につくられた『いい子』なんだと思います。
大人がまともならいいのでしょうが……、
続編をTBさせていただきますね。

初めまして。偶然このブログを見つけ、以前から拝読しておりました。
私は高校の教員をしているのですが、るるどさんの教育に対する御意見はとても参考になります。新卒で教員になったのでまだ生徒側の気持ちがわかる立場だと自負しておりますが(更に、私は真面目な「いい子」ではなかったので…)るるどさんのコメントにはいつも考えさせられます。また、この仕事は聖職と言われていますが、実際はただの人間であって聖人ではないし間違うことも当然あります。教科の知識はあったとしても、人間として完成されているわけでは決してありません。なので生徒と触れ合う中で自分自身も共に成長していきたいと思っております。
言葉はまとまりませんが、るるどさんの鋭い御意見が現場で仕事をする上で役立たせて頂いていることをお伝えしたくてコメントしました。長々と失礼致しました。
PON

PONさん

ようこそ!コメントどうもありがとうございます。
文章力が不十分で、読みづらい部分も少なくないと思いますが、想いは込めているので、読んでくださっていると思うと励まされます。どうもありがとう。

高校の先生なのですね。新卒で先生にならなかったとしても、PONさんのように、生徒さんたちの気持ちをわかる人は、わかるのではないかなとふと思いました。

未来を担う子供たちの教育に携わっていると、やりがいも多いことと思いますが、大変なことも少なくないのでしょう。どうぞ一人一人の芽を伸ばす環境づくりをよろしくお願いします。

それから、最近、特に教育の場が閉ざされてきているような気がしてならないのですが・・・。いかがなものでしょう。教育の場が通気性のよい、社会に開かれた場であることを願っています。

これからもどうぞよろしくお願いします。

dr.stonefly さん

コメントどうもありがとうございます。
子供たちの素晴らしさや多くの可能性が伝わってきました。改めて人間について勉強させてもらった良い機会でした。感謝です。良いニュースをあまり耳にしない昨今、寛容のあるおおらかな子供たちの姿勢が頼もしく感じられました。

大人が子供に耳を傾けるとき、子供から学ぶことはたくさんあるんでしょうね。人間は子供によって磨かれていくものでもあるのかなとふと思いました。

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好きな言葉:"Differences are not a threat, but a treasure" by Jean Vanier (ジャン・バニエは、尊敬する人の一人です)

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