るるどの覚書

全く私的な独り言から、素朴な疑問や社会的な関心ごとまで、北欧での生活の中で感じたり、思ったり、考えたことの覚書ブログ。気軽にコメントして下さると嬉しいです。

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2006/06/11

天使たち

「愛の形見を残してください」

「自分の信じた道を歩みなさい」「光のほうに向かって歩みなさい」

「家族も大切だけれど、自分のことも大切にしたほうがいいよ」

最近、これらの宝物のような言葉を統合失調症という診断名を与えられている人々からいただきました。

彼らは私にとっては天使のような人たち。

精神を病んでいる人たちと話すとき、「健常者」が感じることのできないことを察し、感じることができるんだなと思うことがあります。そして、生きていく上で大切なことがなんであるのかが、良くわかっているなぁとたびたび感じさせられる経験をします。

「愛の形見を残してください」と言ったのは、35年以上精神病院に入院していたおじいちゃん。現在は兄弟姉妹や多くの人々の力添えを得ながら在宅生活を送っています。哲学者の彼は詩も書きます。以前、ルバイヤートの本を見せてくれ、みんなで朗読しました。「ルバイヤート」という甲州ワインがあるのを知ったのはそのときでした。先日は、リルケについていろんなお話を聞かせていただきました。美について語ってもらったり、高齢になるにつれて病気の力が弱くなっているのか、日に日に頭がさえてくるような彼です。

戦争中に平和主義者だった彼さえも、赤紙が来て兵隊に入隊せざる得なくなりました。訓練中、上の人の言うことを聞かずに、何度も殴られ、叩かれ、そのうちに拒食になり、精神病になって入院したそうです。精神病院では電気ショックを何度も受けたようです。そして、その頃は患者も電気ショックを受けた直後の患者を運んだりしていたとのこと・・・。いろんな記憶が今よみがえってきています。抑圧されていた記憶が、精神の自由や安心と共に、開放されてきているかのようです。

哲学者の彼は、私の尊敬する人であり、大好きな人です。とってもやさしくて、紳士的で、自分なりの哲学を持っている素敵な人なのです。彼の笑顔を思い浮かべると笑みが浮かんでくるくらい素敵な人です。

先日、リルケについて話していると・・・。「るるどさんも愛の形見を残したらどうでしょう」「5冊か、6冊くらい残せるんじゃないですか」「るるどさんがいなくなった後で、こんな方がいたということを残すためにも、愛の形見を残されたらどうですか」と哲学者の彼は言う。彼はいつも文章を書いているから、書くことに対しては人一倍の思い入れがある。私は「文才がないから・・・」と言うと。「人それぞれですから、るるどさんの愛の形見を残せばいいんですよ」と言ってくれた。

最近、特に感じることは、私の心や魂や精神を癒してくれるのは、精神科医でもPSWでも看護師さんたちでもなく、病んでいる当事者の方たちだということです。私にとっては天使のような人たちなのです。

周りの「健常者」の人々にはわからなくても、彼らには、今の生活のなにかが私にとって良くないということを察しているんだなと感じます。私より私のことを良くみていて、わかってくれている人たち。どうもありがとう。
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Comment

僕は健常者という言葉そのものに差別を感じるのですね。

多分存在しないと思うのです。

確かにるるどさんの言うような精神病の人も存在します。

でもそうじゃない病者のほうが多いでしょうね。

これは僕の経験則から言ってるだけです。

と同時に病気じゃなくても素晴らしい人はいます。

無論、そうじゃない人々も。

僕は、生きる苦悩をその人がどう引き受けたか?だと思うのですね。

後は文脈から言いますと感受性や理解力でしょうか?

統合失調という疾患はこれらを鈍磨させます。

それと関係性の病といわれるように相手の立場で物事を考えられない人が多いです。

必然的に理解力は低下します。

感受性の強い人が生き残る為の防衛。

僕は、精神病を適応の結果としての疾患。

そんな風に思うのですね。

勿論、遺伝的要素も存在しますが

逆に言うとある意味鈍磨してないとこの世を生きるのが困難になります。

ある意味感受性が生を困難にさせます。

この世の荒波を生きる上で様々な生やがあり。

色々な個性があるのだと思います。

僕は小学生を何人も殺した宅間容疑者のことをよく思い出すのです。

彼は死にたかったのだろうな。

死ぬ為に学歴社会や差別に満ちた社会に復讐したかったのだろうな。

そんな風に感じるのですね。

彼の父親はどう見ても変ですし。彼の生が被差別の歴史に彩られていたらしいことをマスコミは公表しません。

恨みや憎しみに満ちた彼の生は彼一人が担えるような内容じゃなかったのだろうと思うのです。

だからと言って彼の殺人をこの社会が許容するはずもありませんが。

しかし宅間さんのような生を生きる精神病者はことのほか多いです。

決して例外的な存在ではないと思います。

殺人を決行する病者はごく僅かですが。気持ちの上での話です。

生きる苦悩をその人がどう引き受けたか?

この問題はきっとその立場に置かれないとわからないかと思うのです。

そして多分人間の個性や性格は苦難によって歪みもすれば磨かれもするのでしょうね。

僕はこの世界が病んでる。そんな世界でみんな必死に生きているのだと思います。

そういちさん

コメントどうもありがとうございます。いろんなことを考えて書いてくれていること、感謝します。

自分の書いたものを読み返しながら「健常者」っているのかなぁなんて自問していましたので、私もそういちさんの言っていることに同感です。でもほかになんて書けばいいのか、言葉が見つからなかったのでそのままにしてしまいました。この世に健常者なんていないんでしょうね。

今の世の中、病気である、病気でないにかかわらず、「人を憎み、社会を憎み、人を殺したい」と思っている人は少なからずいたりするのかなと思います。それを行動化するかしないかは、自制ができるかできないかの問題かもしれません。

それから・・・、子供について語るとき、「子供は残酷だ」という人もいれば、「子供は純真で天使のようだ」という人もいますよね。そんな意味で、私は精神を病んだ人が天使のように感じるのだと思います。そんな関係を持たせてくれる人たちや環境に感謝しています。

殺人や不可解な事件を精神病と結びつけるのは今のメディアの傾向のような気がします。精神病以外にも、そんな事件と関係付けられることはこの世にたくさんあると思います。戦争と殺人、権力争いと不可解な事件や殺人、介護疲れと殺人、失恋による殺人や恋愛で心中したり、過酷な競争で不可解な殺人事件・・・などなど。あえて精神病とセンセーショナルな事件を結びつけることは・・・どうかなぁと疑問に感じることも少なくありません。

病気であるないにかかわらず、人は十人十色でいろんな人がいるのだと思います。病気である人はこうであるとか、ああであるとは言い切れないのは十分承知の上で、私の色眼鏡を通し、私の周りの素敵な人々の姿を伝えたかったのです。

るるどさん、おはようございます。
「天使たち」のエントリー、私にはギクリとするものがありました。

私の母がその病気なんです。
私を産んでくれた母ですが、諸々の事情で戸籍の上での繋がりは切れてしまっている母親。
現在も、とある病院に入院しています。

その母は、他人と正常な関係を築くことが出来ません。会話をしてもうまく繋がりません。物忘れがひどい上に被害妄想が強くて、すぐ他人を泥棒扱いしてしまいます。一時間も一緒にいると苦痛を感じてしまうような、そんな母であります。
けれど、母は母です。息子である私をいろいろと気遣ってくれます。少なくともこの母の部分だけは正常です。

この母は遠方にいて、なかなか会いに行くこともできないのですが、最近は電話をかけることも少々疎ましく感じていました。反省。

愚樵 さま

コメントどうもありがとうございます。

お母様のことを想い心痛を深くしている愚樵 さんのお言葉私の心に大きく響きます。

さまざまな理由で、会いに行ったり、電話できないお母様のことを思う愚樵さんの想いだけでもお母様の心は救われていると信じています。

病は酷ですね・・・。病んでも、老いても、障害を持っても、あらゆる人々が共生できる社会をいつ獲得することができるのでしょう。そんな社会や共同体やcommunityを切望している今日この頃です。

お久しぶりでするるどさん
前回は、和訳していただいてありがとうございます
御礼が遅くなってしまって申し訳ありません

るるどさんの精神力は強いですね。
何気にコメントを眺めて思います。
これからも、愛の形見を残してくださいね

きんたろうさん

コメントありがとうございます。
お礼どうも・・・でも、あの和訳は私自身の言葉ではないのです・・・。昔どこかであの英語の対訳があったので書き取っておいたものです。

う~ん、精神力が強いってどんなことなんだろう。わからないけど・・・。励ましの言葉ありがとう。

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好きな言葉:"Differences are not a threat, but a treasure" by Jean Vanier (ジャン・バニエは、尊敬する人の一人です)

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