るるどの覚書

全く私的な独り言から、素朴な疑問や社会的な関心ごとまで、北欧での生活の中で感じたり、思ったり、考えたことの覚書ブログ。気軽にコメントして下さると嬉しいです。

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2006/05/27

『貧乏クジ世代―この時代に生まれて損をした!?』

昨日、近くの小さな本屋さんにふらっと立ち寄ったら『貧乏クジ世代―この時代に生まれて損をした!? 』(著者:香山リカ PHP新書 2006年1月)を目にした。 早速、手にとって、ぱらぱらと見た。

以前、彼女の本はメディアに頻繁に取り上げられていたような気がする。最近、彼女の名前を耳にしなかったので、あまり活動していないのかなと思っていたけれど、そうではなかったようです。ただ単にメディアが取り上げていなかっただけ。確かに大きな本屋さんでも見かけなかった。

香山氏が書かれている「貧乏クジ世代」は、まさに私が属する世代。この世代の胸のうちを観て、立場に立って理解しようとしている本に出会ったような気がした。でも、彼女だったら、もっと鋭く書けたような気がする。彼女の忙しさなのかもしれないし、余裕のなさなのかもしれない・・・理由はわからない。政治的な活動もしているので、色々大変なのかもしれない。

親くらいの世代の人たちと接していると、私の世代は「貧乏くじを引いたな」と感じることが少なくない。そんなことも親に言ったことがあったと思う。

貧乏クジ世代は、「大人のいうことをよく聞いて頑張れば、それなりの人生を送ることができる」と思ってきた世代かもしれない。それがうそだったと知った時、何を信じて、何を頼って生きたらいいかわからなくなった人もいると思う。

今の20代、30代の人たち(特に30代)が小学生・中学生だった頃は、コンピューターは学校にはなかった。携帯電話もなかった。詰め込み教育を受け、それに加えて受験地獄、厳しい校則、体罰、偏差値、内申書、塾、校内暴力、いじめなどに接しながら毎日を送った。それでも、これさえ乗り越えて社会に出れば、あの大人たちが自由を満喫し、やり放題、遊び放題、成功づくめ、一の努力で十の成果を得ることのできる、永遠の右肩上がりの「バブル社会」の一員になるんだと思えばこそ、従順に頑張れたのかもしれない。手にすることのできなかった未来、あのバブルの大人の世界はブラウン管を通して、思春期だった私たちに多くの影響を与えたと思う。

(そういえば、この本を読んでいて思い出したけれど、小学校の時は「口裂け女」「こっくりさん」「心霊写真」も流行っていたなぁ。私がこっくりさんをやっても、紙の上の十円玉は一度も動いたためしがない。友だちが指を置くと同じ十円に魂が乗り移ったかのように動くのが不思議だった。物では満足できなくて、見えない不思議な話題がはやっていたような気がします・・・。話がそれました、すみません。)

そして、学生生活の終わりが近づき、社会に出る頃になったら、就職氷河期。「あれっ???話が違うよ」と思った人は多いと思う。「あれっ、あれっ」とおろおろしていると、日本の企業社会が要求するものはどんどん変わっていく。「ええ-っ?PCのスキル?コミュニケーションスキル?プレゼンテーションのスキル?」「そんなもの学校で学んでこなかった・・・」という人たちも少なくなかったかもしれない。

学校にいた頃、「みんな仲良く」「助け合い」「思いやり」など大きな字で書かれた紙が教室の前の壁の黒板の上に貼ってあった。社会に出てみたら、聞こえてくる言葉は「成果主義」「自己責任」「自立支援」「自己負担」。自己責任や自立については、小学校の時に教えてほしかった。学校は集団生活になじむような学生の我の形成をしているのに、社会に出たら突然自立しろとは・・・変だなあ。負担はみんなで助け合ってするもんだと教えられたのに、「自己負担」?

本当に変なことばかり。

会社に入ったらもう「終身雇用」は夢の世界の話。会社で待ち受けていたのは、リストラ、パワーハラスメント、セクハラ、無償の残業・・・それから「以前は良かった・・・、前は・・・できたのに、前は・・・経費を使って・・・、今は・・・」という職員の夢物語、「終身雇用の恩恵」を授かったまま退職できそうな人たちのしたたかな保身の術。そんなものを見せつけられ、聞かされても、労働意欲は出てこない。

運良くリストラにあわず、満額退職金を受け取り、定年退職した人たちの話を見聞きすると「定年退職してやることないから、来週はあっちへ行って、来月は何処何処へ行って・・・」、「同窓会を計画しているのに、みんなゴルフや和歌やいろんな趣味で忙しくて、だいぶ前から計画しないと人がなかなか集まらない」、そんなうらやましい「悩みごと」も少なくない。(もちろん、65(60)歳以上でも、ほとんど年金がなく、仕事なくしては生活できない人もいる。そんな人たちは、黙々と仕事探しをして、ひざが痛くても、腰痛があっても、寝る時間が少なくても、黙って歯を食いしばって生きるために働いている。そんな人たちの声こそ社会に届くべきだと思うけれど・・・)

あ~限りなく書きたいことはあるけれど、こんな愚痴ばかり書いていてもしょうがない。ただ、私たちについて少しは理解をしてほしいと思う。意味なく、好きで、わがままで「フリーター」しているわけでもなく、「ニート」になっているわけでも、独身でいるわけでも、子供をつくらないわけでもありません。

大人たちを信じられない、社会を信じられない、言葉を信じられない、会社を信じられない、自分も信じられない・・・世代なのかもしれない。だから、少なくとも自分を信じてみたいという思いによって、自分のエネルギーが内に向かうのかもしれない。そして、限りない、自己分析、自分探しの世界に入っていってしまう。外にエネルギーを向けられる人は、好きな人と早くから一緒になり、マイホームを確保し小さな幸せを築いたり、時流に乗った事業を興したり、金回りのいい会社に入ったりしているような気がする。社会全体が良くなることを志して動く人なんて、もう日本にはほとんどいないかもしれないなあ・・・と思ったりもする。もし、そんなに勇敢で崇高な人がいたとしても、今の日本では、その人の行動が誰かに迷惑になったり、志が実らなければ「自己責任」という綺麗に印刷された札をつけられ、ゴミ箱に捨てられるだけという風潮があるような気がする。人の志なんて、お酒のつまみにもならない時代なのかもしれない。

以下、『貧乏クジ世代―この時代に生まれて損をした!? 』より抜粋:
「自分も信じられない、会社も地域も信じられない、もちろん社会も信じられない。だから、せめてお金やマイホームでも信じてみようか......そういう気分に陥る寸前の貧乏クジ世代の人たちに、もう一度だけ、社会全体の事を考え、リーダーシップをとろうと立ち上がる勇気が与えられることを、心から願っている。
 じつはその勇気は外から与えられるものではなく、すでに彼らの中に内在しているのであるが.... 」

香山氏は、この世代の人たちに勇気を与えて「頑張れー」とエールを送ってくれているが・・・。ちょっと彼女にしては歯切れが良くないな・・・と。気のせいかな。

この世代の人たちが分断されていなければもう少し希望はあるかもしれない。この世代は若い頃から「二極化」しているから、(分断しているから、)団塊の世代のように世代という共通項での団結はないと思う。でも、ある「課題」を中心に団結することはできるかもしれない。

考えれば考えるほどわからなくなる。きっと考えたり、評論する人はたくさんいるから、行動することが求められているのかも・・・とまた考えてしまいます。これも「貧乏クジ世代」の傾向?!なのかなあ。わからない。
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≪ 無関心ホーム想像力と共感力 ≫

Comment

TB&コメント、有難うございます。

この本のことは、るるどさんの記事を見て初めて
知ったのですが、るるどさんの書かれていることや、
書評などで見ると団塊ジュニアについて書いてある
ようなので、魔の7years世代とかなり重なっていますね。
本当にハシゴを外されてしまったような、かなり損というか、
どうしていいかわからないまま世の中に放り出されることに
なった世代だと思います。

p.s.
いつもブログを読んで、励まして下さって有難うございます。
私もるるどさんのファンというか・・・何か同じ価値観や目線を
共有できる方のように思えて、勝手に親近感を抱いております。
これからもよろしくお願いします。


僕も貧乏くじの世代です
社会に出て自己責任を押しつけられて物のようにこき使われるのは正常な社会ではないです
将来像がみえない、希望がみえない、結婚もできない
こんな人生があって溜まるもんですかといいたいです

こんばんわ!るるどさん
ここ10年数年位の事件を見てみると「動機がわからない悲惨な殺人事件」が多く起きてるような気がします。それ以前の事件は「お金がない・ただの欲望・憎み」などある程度動機があったような気がします。(だから良いと言うわけでもありませんが)
それはるるどさんの書かれていることが根底にあるのかもしれませんね。
あれもこれも親の(私を含めて)世代の責任は大きいと思います。もちろん政治が一番責任があると思います。

mew-run7さん

そういえば、「魔の7years世代」も「貧乏クジ世代」も、かわいそうな呼び名ですね・・・。フリーターやニートも多い世代かもしれませんが、この世代の為だという大義名分の下に色々な対策をつくり、またがんじがらめにしないことを望む限りです。不器用なこの世代をあたたかく見守ってくれる眼差しが必要なのかもしれません。

こちらこそ勝手に親近感を抱いています。「貧乏クジ世代」本を見たとき、「魔の7years世代」を思い出したというよりも、それについて書かれていたmew-run7さんのことを考えていました。それから「魔の7years」の切り口のほうがある意味で鋭いなと感じました。

九州っ子さま

コメントありがとうございます。
将来像を描くことがとても難しいですね。現実的に描こうとしても、あまり素敵な将来の絵を描けないのが悲しいです。物資や情報は豊かなのに、希望や夢が持てない時代にぶつかってしまっているのがとても辛い所です。 また来てくださいね。

CONSAMAさま

こんばんは。コメントありがとうございます。
親の世代や政治家を責めるつもりはないのですが・・・。(そんな風に書いてしまったかな?)メディアで「動機がわからない悲惨な事件」が多く取り上げられていますが、私にはなんとなく動機が透けて見えるような気がするときが少なくありません。もちろん想像上ですが。意味不明だったり、不可解な事件がおきても不思議に感じないところがあります。事件を見るたびに「静かな表現されていない怒り」ほど怖いものはないんだろうなぁと考えたりします。

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