るるどの覚書

全く私的な独り言から、素朴な疑問や社会的な関心ごとまで、北欧での生活の中で感じたり、思ったり、考えたことの覚書ブログ。気軽にコメントして下さると嬉しいです。

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2006/05/22

『「べてるの家」から吹く風 』

日曜日は、長い時間本屋さんにいた。気がついたら「蛍の光」が聞こえてきたので、手にしていた『「べてるの家」から吹く風』(著者:向谷地生良 2006年4月)を購入。

以前、向谷地さんとべてるの皆さんの講演に、二度行ったことがあります。一度目も、二度目もべてるのみなさんからたくさんのエネルギーをいただきました。多くの人々の前でも、自然体で語っていた向谷地さんに見えない力の働きを感じました。いつか北海道は浦河にある「べてるの家」へ遊びに行くチャンスがめぐってきますように。

以下、特にうなずけた部分です。

「プライバシーの尊重や個人保護の重要性が叫ばれるなかで、私は、あえて、べてる流の“公私混同”が世に広まることを期待したい。伝える、知られる、つながるということは、自分という存在が誰にも知られず、関心をもたれていないという不安と恐怖のなかで生きてきたべてるのメンバーにとどまらず、すべての人にとって必要な生きるための不可欠な栄養素だからである。」p.126

「・・・精神科医療の世界に、着実に「当事者の風」が吹いている。その風とは、・・・現状を嘆き、苛立ち、告発しようとする風ではない。さわやかで、ユーモラスで、人の生きようとする力にさりげなく寄り添い、それでいてしたたかな風である。」p.155

「精神科医とのつきあいで、彼〔当事者〕が特に大事にしてきたことは「決して本当のことを話さないこと」であった。・・・。それは、彼のなにげなく語る不安や苦労が、常に投薬に反映され、どんどん薬が増えていく心配の中で身につけた必要不可欠な「当事者の知恵」なのであった。」p.156

目を潤わせずには読みすすめられない本です。

社会的な動物である人間にとって、ハンセン病や精神病を抱えた時、病そのものよりも、社会からの阻害や隔離、「社会の眼差し」のほうが何倍も辛いのだろうと思う。病気の辛さだけで十二分なのだから、負う必要のない荷を「社会の目」によって負わせられなくてもいいと思う。
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『こんな精神科医に会いたかった―魂の手紙治療』(原書名:In Therapy : Chronicle of a Psychiatric Patient 創英社/三省堂書店 2006年3月 著者:ヘルト,マルク・デ〈Hert, Marc De〉・スペランス,フェリックス〈Sperans, Felizx・訳:野田 文隆)も、手に取ったら離せなくなってしまった一冊です。原書はオランダ語で、英訳された本も出版されています。ベルギーの精神科医とフェリックス(患者)との間で交わされた手紙による治療に関しての本です。文通というコミュニケーションを通した「治療」を試みたフェリックスと精神科医との勇気には感銘します。表面的な言葉の交わし合いではなく、平場の関係にある人と人として向き合い、お互いに本音をぶつけ合っているところが、彼らの文通の魅力であり、「治療」になり得るものとしているのだと思います。

本屋さんに行くと、人々の生きた声が綴られている本に、引き寄せられてしまうことが多いのです。最近、フィクションに興味がわかないのは何でかなあと自問中。
*********************
今、ふと思い出した星野富弘さんの詩:

わたしは傷を持っている
でもその傷のところから
あなたのやさしさがしみてくる
*********************
遅くなってしまいました、おやすみなさい。
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はじめまして。。。

この詩も星野さんだったのですね。教えてくださってありがとうございます。
言葉だけ知っていました。
 
「冬があり、夏があり・・・
 悲しみも 苦しみもあって 私が私になってゆく」
これもいい好きな詩です。

精神障害の問題は人類の問題だと思います。

強弱や優劣の問題でもないですね。

痛みや傷を我々が共有できるかどうかの人類への試金石なのだと思います。

他の障害や社会的問題も同じ事だと思います。

浦河はとっても自然豊かなひなびた町でそこらじゅうに障害者がウヨウヨしているのでパトカーや救急車が大変です。

>病そのものよりも、社会からの阻害や隔離、
>「社会の眼差し」のほうが何倍も辛いのだろうと思う。

本当にそうだと思います・・・。
また“病気”への、偏見・差別は言わずもがなですが、
「無知からくる誤解」もまた<暴力>だと、私は思います。
だから自分自身も気をつけていかなければ・・・っ!!


『こんな精神科医に会いたかった―魂の手紙治療』、気になります。

返事が遅くなりました。ごめんなさい。体調がすぐれないのでちょっと生活のペースを落としています。健康には気をつけてくださいね。

ゆるねねさん

はじめまして。星野富弘さんの詩は苦しい時に光を見つける手がかりを差し出してくれるような気がします。詩を紹介してくれてどうもありがとう。

そういちさん コメントどうもありがとう。

そうですね。「精神病」は人類が存在すかぎり私たちに与えられた課題なのでしょう。見えないがゆえに、権力者はうまくこれを利用できる。見えないがゆえに、苦しみをわかってもらえない。見えないがゆえに、誤解される。見えないがゆえに、・・・。でも、「精神病」を持つ人には見えないものが見えるのです。社会の理不尽さも、社会の矛盾も多くのものが見えるような気がします。感覚が研ぎ澄まされているゆえに、「目をそらしている人々、目をつぶって生きている人、自分を騙し騙し生きている人に見えないこと」が見え、感じることができる。それが共感されず、共有されず、否定される時に、レッテルを貼られることになるのかもしれない・・・。

浦河はいろんな障害を持った人々が共生がしている町であるような印象を持ちます。「ひなびた町」であるからこそ、互いの苦しみを共有しやすい面もあるのでしょうか。

fumohさん 

コメントどうもありがとう。
そうですね「無知からくる誤解」も暴力になり得るのでしょうね。知らないことがたくさんある私はきっと、多くの「暴力」を振るって生きているんだろうなあ。生きていると知らずに人を傷つけていることもあるし・・・。やっぱりいろんなことを経験し、いろんな立場に置かれている人たちのことを想像する力を持つことって大切なんでしょうね。かんがえさせられます。

「さわやかで、ユーモラスで、人の生きようとする力にさりげなく寄り添い、それでいてしたたかな風」…こんな風がもっと吹くといいですね。聖書でいう「あなたの財産を全て貧しい人に施しなさい」の「財産」とはお金だけではないと思います。才能や頭脳や身体的能力に恵まれた人々が、その賜物を自分だけの所有物にしてしまうこと。「所有」で隔てられた人と人のあいだはには、「風」は吹きません。痛みや傷を共有できる社会になれば、私たちぜんたいが豊かに生きることができるようになるのに。。。

starstoryさま
コメントありがとう。

「『所有』で隔てられた人と人のあいだには、『風』は吹きません」 そうですね。生まれる時も、死んでゆく時も何も持たないのに、この不安いっぱいの世の中では「所有」しない勇気はなかなか持ちにくいのでしょうか。神様は無償でこんなにもいろいろなものを与えてくれているのに、人間は自分たちがすべて創りそろえたかのように傲慢に振舞っているんですよね。やっぱり人間としての謙虚な姿勢は大切なんだろうな・・・。

アイヌ差別とか酷い不況とか北海道ならではの問題が沢山あります。

サラブレッドの育成が減反政策の結果だったり、今これらの牧場もバタバタと潰れてます。外国産馬に押され。

商店などもバタバタつぶれ自殺者などの話も絶えません。

そんな町だからこそのべテルなのかもしれませんね

その町に住まなきゃわからないことも多いです。

住んでもわからないことも多いですね。

僕は一年半ほど住みました。かなりお世話になりました。迷惑もかけました。

10年以上経ちます。

こんなに有名になるとは思いませんでした。

僕が住んでた頃は無名でしたから。

この世にユートピアは無いです。

浦河の町に何があるのか?

その人その人の目で確かめたら良いですね♪

そういちさん コメントありがとう。
小さかったので、記憶に残っていないのですが、小さい頃北海道に住んだことがあります。それ以来、戻っていません。いつか浦河へ行ってみたいと思います。のほほん工房はいかがですか?いつか話を聞かせてくださいね。

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